top of page
フェリーチェとフォルトーナバナー1_R.jpg

​パンダのフェリーチェ

キツネのフォルトーナ

1_R.jpg
5_R.jpg

【パンダのフェリーチェとキツネのフォルトーナ】

■作品設定

白と黒で色めく都市の中、一匹のパンダが壁に絵を描いている。

パンダの名前はフェリーチェ。

浮遊都市『ロマンチカ』で、壁絵師として働いている。

クリスマスを前に活気あふれた街で、歌を口ずさみながら壁に絵を描いていく。

この時期に描く絵は決まっていた。『クリスマスの12日間』に登場するプレゼント達。

初めは梨の木と一羽のヤマウズラ。二番目は二羽のハト。三番目は・・・・。

 

途端、ガタンと後ろで大きな音がした。

何事かと後ろを向くと真っ白なペンキを被った狐が

ポカンとした顔でしりもちをついていた。

 

「大丈夫かい?」

 

と声をかけると、狐は信じられないような顔で自身の手を見つめていた。

 

--------

 

沢山の人や動物を化かしてきた。

体の色を透明にして、その場から突然消えるという術が得意だった。

頻繁に姿を消す術を使っていたら、ある日を境に、

誰の目にも自分自身の姿がうつっていないことに気が付いた。

私が伝えられるのは声だけ。

森の中に誰もいないのに声だけが聞こえると気味悪がられた。

まるで幽霊扱いだ。私は確かにここに存在しているのに。

 

月が綺麗に映った湖にも、自分の姿は映らない。

太陽の光を浴びても、私の後ろに影は映らない。

自分自身でも、自分の姿を見ることができなくなってしまった。

誰にも認識されない寂しさを、こんな形で知ることになるなんて。

 

赤い夕焼けを見ながら崖の上で途方に暮れていると、

大きな大きな黒い塊が目の前に現れた。

 

吸い込まれるようにその塊に向かって歩いていくと、

赤い夕焼けの光はスッと消え、白と黒の世界が目の前に広がった。

 

そこは、さっきまで居た場所とは景観が全く違う。

ざわざわと活気が伝わる空気の中、どこからか聞き心地の良い歌が聞こえた。

歩く人々は、透明な自分の存在に気が付かない。

私は人々にぶつからないように、壁際を歩きながら、歌が聞こえる方へ進んだ。

歌に集中していたら、すっかり足元の確認を忘れていた。

 

カツンと片足が何かにあたり、つるりとその場に転がって、

頭から冷たい液体をかぶってしまった。

慌てて顔をこすって目を開くと、白いペンキに染まった真っ白な自分の手が視界に入った。

 

久しぶりに見る白に染まった自分の手に、頭も真っ白になる。

そんな中、「大丈夫かい?」と声をかけられた。

見上げると、大きな筆を持つパンダが目の前に立っていた。

 

私を導いた歌は、フェリーチェの歌う『クリスマスの12日間』だった。

これが、私と壁絵師フェリーチェの出会い。

そして、私が新しく色を与えられた奇跡の出来事だった。

 

--------

 

色を失った狐が、私のペンキで真っ白に染まった話を聞くかい?

あぁ、その狐の名前はフォルトーナ。私が名付けたんだ。

まったくもって運が良かったんでね。

 

ほら、今はあちらで壁絵を描いているよ。

少し早かったけれど、白いペンキはフォルトーナにとって

奇跡のクリスマスプレゼントなんだって。

 

さぁ、今年も壁絵を楽しみながら『クリスマスの12日間』を歌ってみて。

一人でも、皆でも、歌えばたちまち笑顔になれる、"つみあげうた"だよ。

途中で間違ったって良い。楽しく歌うのがコツなんだ。

 

この壁絵は私から皆へのクリスマスプレゼント。

少しでもいい。沢山の人に笑顔になれるきっかけを贈りたい。

そのきっかけの一つがこの作品になれば、嬉しいと思う。

4_R.jpg
3_R.jpg
2_R.jpg

【作品説明】

今回は初めて、パンダと狐を主役にして作品を制作しました。
パンダを選んだのは、まさにモノクロ。白と黒の両方の色を持っていたことから。
狐は私が毎度作っているモチーフですので外せませんでした。

パンダと狐の名前は、イタリア語からつけています。
パンダは「Felice(フェリーチェ)」で意味は”幸せ”。
狐は「Fortuna(フォルトーナ)」で意味は”運”。

​作品をお迎えしていたたいた皆様に幸運が訪れるよう、名付けました。

色調はモノクロトーンを主に、ポイントとしてシルバーカラーも使用。

背景と合わせると、モノクロ調の作品を一層楽しめる仕様になっています。

そして、背景としてセットにしている絵は『クリスマスの12日間』というクリスマスを祝う歌を題材としています。


沢山のクリスマスソングがありますが、その中でも私はこの『クリスマスの12日間』が大好きです。大人から子供まで楽しんで歌える遊びの要素が入った「つみあげうた」で、皆様もどこかで耳にしたこともあるかと思われます。
この『クリスマスの12日間』には、背後に歴史上の隠喩も含まれていて、

楽しく歌うこともできますし、隠された意味も含めてクリスマスの歴史を振り返ることもできます。

この曲は海外のコンサート等でもとても楽しく歌われているのが印象的で、クリスマス独特の楽しさや雰囲気を感じることができ、聞いていて非常に心が元気になる曲だなと感じています。

モノクロの立体作品と、壁絵の『クリスマスの12日間』に登場するプレゼント達をセットに、是非クリスマスを楽しんでいただけたら幸いです。

 

関節が入った会期初日から販売している作品は、製作中にパーツ・素材が販売中止になってしまったため、初期納品のみの販売になります。

追加でこのホームページにも掲載されている作品を塗装・装飾を付けて納品いたします。

写真で掲載されている作品は原型の作品ですのでぜひ塗装後の質感をお楽しみにしていただけたらと思います。

​白と黒の世界の『モノクロームロマンチカ』を是非お楽しみくださいませ!!

bottom of page